2006年05月25日

本質からズレていませんか?

みなさんもご承知のように、このブログでは「本当に大切なこと」というテーマで繰り返し、さまざまな記事を発信しています。
その一方で、ものごとの本質をつかむことが、なかなか容易でないことも承知しているつもりです。
それにしても、ここ数日間のニュースを見ていると、大きな疑問を抱きませんか?

まずは、大阪などの社会保険事務所で4万人以上に年金納付の不正免除を行っていたという事件です。
いわゆる「年金納付率」偽装という話です。
村瀬長官が出した「『国民年金の収納率』緊急メッセージ」という文書の存在が明らかとなり、組織防衛のためにノルマ2ヶ月以内に2%アップを課していたことが判明して大騒ぎになったようです。
年金制度に対する信頼回復こそが最重要課題であることは、国民の目からは一目瞭然なのですが、社会保険庁内にいると、どうやらその本質が見えなくなるようです。

大手銀行の3月期決算が発表され、大手銀行6グループはバブル期を超える過去最高益を記録しました。
特に三菱UFJの連結最終利益は1兆円を超えてトヨタに迫る勢いだったわけですが、与謝野金融担当相のコメントは「決算は良くなってきているが、我々にしてみればまだ半人前だ」というものでした。
すでに指摘されているとおり、今回の過去最高益の背景には、不良債権処理に積んでいた貸倒引当金が景気回復のために不必要となった戻り益の存在がありました。
つまり企業業績が回復したことで貸し倒れが減った分だけ、利益となって戻ってきたわけで、これは銀行の経営努力の結果ではありません。
それだけでなく、投資信託などの金融商品の窓販で得た手数料収入も、利益をかさ上げする大きな要因でした。
そもそも、銀行が本業として行うべき預金と投資信託は競合商品です。
多くの預金者がゼロ金利状態に業を煮やして、投資信託などの金融商品へと乗り換えたわけですから、そこで手数料が増えても本業による利益ではありません。
銀行利用者に対して本業でサービスを行うことが最重要課題であることは、利用者の目からは一目瞭然なのですが、金利変動に伴うリスクに怯える銀行は、本質をきちんと理解できているのでしょうか?

最後に、教育基本法の前文をめぐり、「我が国と郷土を愛する態度を養う」という政府案と、「日本を愛する心を涵養(かんよう)する」という民主党案が対立しており、この点が象徴的に報じられています。
いわゆる「愛国心」についての議論ですが、今国会内で可決に持ち込むか、会期延長を行うのかといった、政治的駆け引きの材料に使われているようにしか見えません。
確かに、国民が自らの国を愛せないような国家は不幸ですし、そんな社会の活力は徐々に削がれていってしまうでしょう。
しかし、だからとって「愛国心」とは教育で強制するようなものなのかというのが、反対論者たちの意見です。
しかし、それ以前の問題として、国家の成り立ちや政府の仕組みについて、我々はどれほどしっかりとした教育を受けたというのでしょうか?
しっかりと理解していないものを、ただやみくもに愛せと言われても、そこに健全な民主主義が成立しうるはずがありません。
日本という国の成り立ちや仕組みを教えることが最重要課題であることは、国民の目からは一目瞭然なのですが、国会議員の先生たちは本質を理解できていないようです。

以上3つの問題について、みなさんの目にはどのように映っていますか?
posted by SNR at 15:50| Comment(8) | TrackBack(14) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月22日

モリーの教え

ここのところ日経平均株価が大きく値下がりして、一時期は1万6000円台を切ったこともありました。
原因はいろいろ分析されていますが、これまで日経平均を押し上げてきた外国人投資家と個人投資家の売りが株価を下げている要因のひとつだと言われています。
また、ジャスダックや東証マザーズなどの新興市場も大きく低迷しており、短期取引で得られる利潤を追求してきた個人投資家の動きが鈍ってきているようです。
もちろん、ライブドアの上場廃止をはじめとして、ここに来ていくつかの企業の不祥事、あるいは不透明な財務体質や資本政策が明るみになり、それが市場全体の不信感を強めているのも事実です。
しかし、信用取引による無理な資金調達で投資を行なってきた投資家が、担保不足による追い証が発生する前に、損を覚悟で売り抜けるということも増えてきているようです。

投資にあまりにも投機的な面ばかりが目立つことに、僕自身は賛成していません。
今回の新興市場の低迷も、むしろ銘柄選別がしっかりと行なわれて、市場の健全化が進む契機となれば良いと考えています。

人類という家族に投資しよう。
人に投資しよう。
愛する人、愛してくれる人の小さな共同社会をつくろう。


これは『モリー先生との火曜日』、実在したブランダイス大学教授モリー・シュワルツの言葉です。
モリー・シュワルツは筋萎縮性側索硬化症(ALS:別名「ルー・ゲーリック病」)にかかり、徐々に体の自由が奪われて死を迎える中で、かつての教え子であるミッチ・アルボムに「人生とは何か」、「愛とは何か」といったテーマで、最後の授業を行ないました。

先週まで自分でできたことが、今週には介助なしにはできなくなる。
今週、自分でできていることも、来週にはできなくなるだろう。
そして近い将来、確実に死を迎えることがわかっている。

こういう自分の状況を絶望せずに受け入れ、人の愛を素直に受け入れ、さらに人を愛することを実践して見せることで、モリーは最後の授業を行なったのです。
もちろん、先ほど引用したモリーの言葉は、株式投資について述べたものではありません。
しかし、絶望的な状況で死を確実に迎える人間の強さと優しさに満ちた言葉には、そんなことは関係なくなるくらいの普遍性と真理が含まれていると思います。

株式投資が資産運用である以上、一定の利益を追求するのは当然です。
しかし、一方で社会に貢献する健全な企業の資金調達を助けるという社会的な側面があることもまた事実です。
社会に暮らす人々、企業であれば顧客や従業員、そして株主を大切にしない企業には、本来投資をすべきではないのです。
まさに人に投資することと、人を大切にしている企業に投資することは、本質的に同義なのでしょう。

物質的なものを抱きしめて、向こうからもそうされたい。
だけど、そうはうまくいかない。
物質的なものは愛ややさしさの代わりにはならない。
友情の代わりにはならない。

モリー・シュワルツの言葉を、いつも胸に刻んでおきたいものですね。
posted by SNR at 17:52| Comment(7) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月20日

「日本を代表する」ということ

今週の月曜日に、ワールドカップ・ドイツ大会に臨むサッカー日本代表23人のメンバーが発表されたことは、みなさんもご存知ですね。
巻選手が選ばれたことや、久保選手が落ちたことなどが大きな話題になり、みなさんも選ばれたメンバーを見ていろいろな感想をお持ちになったでしょう。
6月9日の開幕が待ちきれないという方も多いとは思いますが、もちろんこのブログでサッカーの技術論はいたしません(コメントでは勝敗予想なども含めて大歓迎ですが…)。
僕も素人評論しかできませんから、記事本文では敢えて触れないことにしておきます。

では、今日のテーマがいったい何かと言うと、タイトルに掲げたとおりで「『日本を代表する』というのは、いったいどういうことなのだろう?」という話です。
まず、「日本代表」という言葉を聞いて、みなさんはいったい何を連想なさるでしょうか?
僕なんかは、やはり「サッカー日本代表」などを比較的容易に連想しますね。
もちろんサッカーに限らず、野球でもその他のスポーツでも、オリンピックやワールドカップのような国際大会で日本を代表して戦ってくれる選手たちは、「日本を代表する」人たちと考えて自然でしょう。
つまり、スポーツに限らず特定の分野に秀でていて、その分野で日本を代表するということですね。

しかし、「日本を代表する」ということには、もう少し広い意味があると思います。
それは「日本代表チーム」は、日本社会の特色を色濃く反映しているという意味です。
例えば、ワールドカップ代表メンバーが発表された翌日の朝日新聞に、編集委員の星浩さんが、サッカー日本代表と政治を対比した記事を書いていました。
日本代表にとっても、自民党や民主党といった政党にとっても、組織と個人のバランスが課題であるというものでした。
日本代表の試合があると、よく「FWの決定力不足」や「個人の能力を補う組織力」などが話題になりますが、これも日本人や日本社会をチームが代表している証拠なのでしょうね。
試合に負けると特に外国チームと比較した嘆き節が聞かれますが、これも一朝一夕に変えることは難しい問題なのだと思います。

サッカーというスポーツの最大の魅力は、世界の国それぞれに、その国の色をしたサッカーだが存在していることにあるでしょう。
それだけ、サッカーというスポーツには単純だけど普遍性が備わっているということですね。
ブラジルにはブラジルの、イングランドにはイングランドの、イタリアにはイタリアの国民性を反映したサッカーがあり、どの国も国民や社会の特徴をうまく生かして戦っています。
日本がワールドカップに出るのは3回目ですが、まだまだ欧州や南米の国々に比べれば歴史が浅く、これから少しずつサッカーの本質を自分たちのものとして、日本色をつくりあげていく過渡期にあるのでしょう。
前回の大会に比べて、日本がどのような成長を見せているか、勝敗だけにこだわらず見てみたいものですね。
こんなことを考えながら、ワールドカップの本番を迎えてみるのはいかがでしょう?
posted by SNR at 16:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味・スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月18日

日本は世界の最貧国なのか?

バブル崩壊後の長い停滞があったとはいえ、景気回復が軌道に乗りつつある日本に、何てことをいうのか?
こんな意見もあるかとは思いますが、以下のようなマザー・テレサの言葉を聞けば、少しは納得していただけるかもしれません。

ひとりぼっちの寂しさと
誰からも必要とされないという思いは
もっとも恐ろしい貧困である


年間の自殺者が3万人を超えるような国が、果たして本当に豊かな国と言えるのか?
これが本日のテーマだったので、敢えて「最貧国」などという過激なタイトルを使ってみたわけです。
我々はこれまで何度も、「貧困に苦しむ国々で、毎日どれほどの子どもが栄養失調で死んでいくのか」などいう話を聞かされてきました。
「そういう子どもたちもいるのに、なぜ命を大切にしないのだ」と言われて、多くの人が頭ではその意味を理解できると思います。
しかし、それでも我々はこの物質的な豊かさを前に、人と人との絆の大切さを、つい忘れがちになってしまうのです。

確かに、人間は誰しも究極的にはひとりです。
ひとりぼっちで生まれ(双子の方もいらっしゃるでしょうが)、ひとりぼっちで死んでいきます。
だからこそ、本当は人との絆に無限の価値があるのですが、なかなかそのことに気がつけないため、多くの不幸な事態が生じてしまうのでしょう。

こんな話をしていると、ますます悲観的になってしまいそうですが、ちょっと視点を変えて、こんなふうに考えてみてはいかがでしょうか?
「捨てる神あれば拾う神あり」
日本人なら誰もが知っているありきたりな言葉ですが、一神教の国の人々から見たら、ずいぶんといい加減な考え方なのでしょう。
しかし、この言葉には、「たとえ一度失敗しても、それですべてが終わりというわけではない」という大切な価値観が含まれています。

このように考えてみると、日本古来の「八百万(やおよろず)の神(かみ)」という考え方は、現代社会にこそ必要な考え方なのかもしれません。
すでに述べたように、昨年まで7年連続して自殺者は3万人を越えており、「格差社会」などという言葉もすっかり定着してしまった感があります。
でも、一生懸命やって失敗しても、それは失敗ではありません。
そこから前に進まなくなったとき、初めてそれは失敗となるのです。

国会で現在多議中の教育基本法の「愛国心」などという概念よりも、日本社会に古くからある価値観を生かすことの方が、今の日本にとって本当は大切なのかもしれませんね。
posted by SNR at 20:10| Comment(5) | TrackBack(3) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

SNRより御礼

昨年11月17日に公開を始めたこのSNRブログ。
昨日5月17日で無事、公開半年を迎えることができました。
おめでたいですね。
何がおめでたいのか、自分でもさっぱりわかりませんが、とにかくおめでたいような気がします。

さて、冗談はさておき、この間に、このページを訪れた方は2万5643人。
ページビューは8万209PV。
頂いたコメントとTBの総数は752。
この数字もすごいのか、そうでもないのかよくわかりませんが、「多くの方にお世話になり、何とか半年続けることができた」というのが実感です。

最初始めたときには、ブログにしては硬すぎ、コラムにしては砕けすぎたこんな文章をいったい誰が読むのかという思いもありました。
それでも続けてこられたのは、本当にみなさんのアクセスやコメントに支えられたという側面が大きいなとあらためて思います。

あっという間に半年間が過ぎてしまいましたが、これからも、さまざまなジャンルの問題にチャレンジして、他のブログにはない視点から文章を発信していきたいと思っております。
最後にこれまでの、みなさんのご愛読に感謝するとともに、コンテンツのますますの充実を誓いまして、お礼の言葉とさせていただきます。
本当にありがとうございました。
posted by SNR at 18:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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