日本経済新聞が集計した上場企業の2006年3月期決算では、企業業績は相変わらず好調のようです。
一方で、昨年から相次いだM&A騒動に対処するために、買収防衛条項を新たに盛り込んだり、株の持ち合いを増やしたりする企業も出てきているようです。
先日、日産のカルロス・ゴーン社長があるインタビューで、「M&Aよりも提携やタイアップの方が好きだ」と話していました。
買収をすれば必ず買収された側が、自分たちが外されると感じてしまうからだそうです。
ホリエモンによるニッポン放送買収から始まった一連のM&A騒動ですが、最近は少し鎮静化しつつあるような気がします。
長期的に経営を考えた場合、やはり無理な買収には大きなリスクがつきものなのでしょう。
いまチェ・ジウ主演の「連理の枝」という映画が公開されていますが、「比翼連理」という言葉があります。
これは白楽天の『長恨歌』に出てくる一節、
天に在りては、願わくば、比翼の鳥となり
地に在りては、願わくば、連理の枝とならん
から生まれた言葉で、「比翼の鳥」は二羽が一体にならないと飛ぶことができない鳥のことを、「連理の枝」はそれぞれの幹から出た枝がひとつにつながって木目がひとつになったもののことを差します。
玄宗皇帝と楊貴妃の愛をこう表現したことから、「比翼連理」とは仲睦まじい男女のことを指す言葉となったのです。
しかし、みなさんよくご存知のことと思いますが、「比翼連理」と称されるようなカップルなどは、まず現実には存在しないわけです。
誰しもが近づきすぎてはぶつかりあい、離れそうになっては手をつなぎあってバランスをとっているのでしょう。
「コーポレート・カルチャー」という言葉がよく使われますが、企業どうしが一緒になる場合も、それまでまったく違う道をお互いに歩んできているわけですから、ぶつかり合いになるのは当然です。
ましてや、いきなり買収をして不採算部門を切り捨てるようなやり方は、いたずらに相手の反発を招くだけでしょう。
以前、「『かんじんなことは目に見えない』のです」という記事にも書いたように、本当に深い絆とはお互いにたゆまぬ努力を必要とするもので、目に見えないものなのかもしれません。
企業活動でも同じことで、目に見える形にこだわるよりも、目に見えない信頼を大切にすることが、かんじんなのかもしれませんね。


