2006年05月22日

モリーの教え

ここのところ日経平均株価が大きく値下がりして、一時期は1万6000円台を切ったこともありました。
原因はいろいろ分析されていますが、これまで日経平均を押し上げてきた外国人投資家と個人投資家の売りが株価を下げている要因のひとつだと言われています。
また、ジャスダックや東証マザーズなどの新興市場も大きく低迷しており、短期取引で得られる利潤を追求してきた個人投資家の動きが鈍ってきているようです。
もちろん、ライブドアの上場廃止をはじめとして、ここに来ていくつかの企業の不祥事、あるいは不透明な財務体質や資本政策が明るみになり、それが市場全体の不信感を強めているのも事実です。
しかし、信用取引による無理な資金調達で投資を行なってきた投資家が、担保不足による追い証が発生する前に、損を覚悟で売り抜けるということも増えてきているようです。

投資にあまりにも投機的な面ばかりが目立つことに、僕自身は賛成していません。
今回の新興市場の低迷も、むしろ銘柄選別がしっかりと行なわれて、市場の健全化が進む契機となれば良いと考えています。

人類という家族に投資しよう。
人に投資しよう。
愛する人、愛してくれる人の小さな共同社会をつくろう。


これは『モリー先生との火曜日』、実在したブランダイス大学教授モリー・シュワルツの言葉です。
モリー・シュワルツは筋萎縮性側索硬化症(ALS:別名「ルー・ゲーリック病」)にかかり、徐々に体の自由が奪われて死を迎える中で、かつての教え子であるミッチ・アルボムに「人生とは何か」、「愛とは何か」といったテーマで、最後の授業を行ないました。

先週まで自分でできたことが、今週には介助なしにはできなくなる。
今週、自分でできていることも、来週にはできなくなるだろう。
そして近い将来、確実に死を迎えることがわかっている。

こういう自分の状況を絶望せずに受け入れ、人の愛を素直に受け入れ、さらに人を愛することを実践して見せることで、モリーは最後の授業を行なったのです。
もちろん、先ほど引用したモリーの言葉は、株式投資について述べたものではありません。
しかし、絶望的な状況で死を確実に迎える人間の強さと優しさに満ちた言葉には、そんなことは関係なくなるくらいの普遍性と真理が含まれていると思います。

株式投資が資産運用である以上、一定の利益を追求するのは当然です。
しかし、一方で社会に貢献する健全な企業の資金調達を助けるという社会的な側面があることもまた事実です。
社会に暮らす人々、企業であれば顧客や従業員、そして株主を大切にしない企業には、本来投資をすべきではないのです。
まさに人に投資することと、人を大切にしている企業に投資することは、本質的に同義なのでしょう。

物質的なものを抱きしめて、向こうからもそうされたい。
だけど、そうはうまくいかない。
物質的なものは愛ややさしさの代わりにはならない。
友情の代わりにはならない。

モリー・シュワルツの言葉を、いつも胸に刻んでおきたいものですね。
posted by SNR at 17:52| Comment(7) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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