2006年01月22日

構造改革が虚業では困ります!

大きなニュースが相次いでマスコミを賑わせているなか、いよいよ通常国会が始まりました。
小泉総理らは「改革の総仕上げ」を合言葉にしているようですが、通常国会で本当に問われるべきは何なのでしょうか?

一方で、いまの日本は「信用崩壊」の危機に瀕していると思います。
昨年の暮れに『SNRが斬る今年の重大ニュース!相次ぐ詐欺被害:「信」無くして立てるのか?』という記事を書きました。
社会を支えるもっとも大事なものは「信用」であること、そして「信用」がベースになければ経済も成り立ち得ないことを述べました。
記事で扱った詐欺事件ばかりでなく、耐震偽装問題、ライブドアショック、そして米国産牛肉の問題まで、年が明けても「信用」が問われるニュースが続いています。

「構造改革なくして景気回復なし」と、小泉総理が一時期ヒステリックに叫んでいましたが、「景気回復に貢献するような構造改革を行なうべし」というのが本来あるべき政策の姿でした。
すなわち「健全な市場競争を妨げている仕組みを改革しましょう」というのが、本来の精神であったわけです。
確かに「構造改革」という言葉が次第にひとり歩きを始めて、何でも民間に任せたり規制を緩和したりすれば良いのではないかという風潮が出てきたことは否めません。
そして耐震偽装マンションやライブドアのような問題が出てくると、今度は「構造改革」路線そのものが間違っていたかのような印象が広まりつつあります。
しかし、ものごとはそう単純なものではありません。
詐欺的な行為を許してしまった制度やルールの不備と、「改革」の方向性そのものが間違っていることは別問題なのです。

では、いま起こっていることは改革の過渡期に見られる現象だから放っておいて構わないのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。
なぜなら、そこには冒頭で述べた「信用」という問題が横たわっているからです。

いくら改革を進めたとしても、制度やルールに対する「信用」がなければ、誰もその市場には積極的に参加しません。
誰しも自分が被害者にはなりたくないですし、それを避けようと思えば自らコストを払って調査をしなければならないのですから、当然のように市場取引は停滞します。
信用のない市場からは、ヒトもカネも容易に逃げていってしまいます。
こうした本末転倒な事態に至らぬよう、「健全な市場競争」という原点に立ち返ってみることが必要となるでしょう。
「健全な市場競争」とは、「自由で公正な市場競争」と読み替えることができます。
いままさに問われているのは、「信用」を担保する「公正な市場」の形成なのです。

小泉総理とホリエモンを並べて論じるのは失礼かもしれませんが、両者は似ている部分がかなりあると思います。
マスコミを最大限利用していることや、インパクトのあるワンフレーズで社会に大きな影響を与えていることだけではありません。
ホリエモンにとって株式時価総額の上昇が生命線であったように、小泉総理の命綱は高い内閣支持率にあります。
常に「改革」に対する期待感を膨らませることによって、高い支持率を維持してきたと言っても良いでしょう。
しかし、かんじんの「改革」の中身が虚像に過ぎなければ、本業の中身が伴っていなかったホリエモンと本質的に何も変わらないことになってしまいます。

小泉総理は新たな「改革」のアドバルーンを揚げるだけでなく、もう一度「公正な市場」とは何かという観点から総点検をしてもらいたいものです。
自由ばかりでなく公正さが正しく追求されてこそ、信用を備えた活気のある市場となるわけです。
回復し始めた景気を失速させないためにも、通常国会では与野党を超えて真剣にこの問題に取り組んでもらいたいと思います。
posted by SNR at 18:25| Comment(4) | TrackBack(1) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。