2006年01月03日

2006年元旦:「議論の本位を定る事」

新年、明けましておめでとうございます。

2006年に入って最初のブログであります。
実は年末から風邪をこじらせてしまいまして、強制的に寝正月。
気がついたら年を越してしまっていたという有様なのです。
というわけで、まだいまひとつ新しい年を迎えたという気がしないのですが、
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて年初めといえば、やはり今年1年を占うところから始めないわけにはいきませんね。
景気拡大、人口減少、財政再建、自民党総裁選…。
キーワードはたくさんありますが、3つのキーワードに沿って進めていきたいと思います。

まず何よりも、戦後最長の景気拡大かと噂されているように、
多くの経済アナリストが順調な景気拡大を予想しています。
好調な景気の波に乗って、企業は設備投資や雇用の拡大をはかり、賃金も引き続き上昇、そして個人消費も刺激され…。
と書くと、日本経済は何の心配もないように見えますが、
日本経済さえ良ければ、個人の景気も自動的に良くなるわけではないところが昔と違って難しい点です。

「選挙のない1年だからこそ政治に注目すべし」
やっぱり、最初にくるキーワードはこれでしょう。
景気回復と並んで、昨年を象徴する言葉のひとつが格差社会でした。
義務教育児童の就学援助が4年で4割も増えていることが判明したように、
大企業の好調な業績や株価の上昇からは見えてこない格差が生じてきています。
こうした問題を政治が看過するとすれば、景気回復の先にある日本社会に疑問符をつけざるを得ません。

選挙のない2006年ですが、選挙がないからこそ大事な問題が次々と決められていく1年でもあります。
少なくとも、消費税率のアップなど着実に財政再建に向けた施策は行なわれていきます。
「ある程度の消費税率アップはやむを得ない」という空気は醸成されつつありますが、その前に、「歳出削減を行なう」という大前提があったことを忘れてはなりません。
年末の記事でも書いたように、選挙のない年だからこそ「国民からの注文」を常に出し続けなければならないのです。

「未来に希望が持てる日本型システムを再構築せよ」
昨年までは小泉総理やホリエモンに象徴されるように、日本の古いシステムを壊すことへと関心が向けられる傾向にありました。
しかし、壊すだけでは社会の安定した成長は望めません。
特に、人口減少や安全・信頼の崩壊など、日本がいま抱えている問題点を克服するためには、新たな時代に合わせた仕組みを考えていかなくてはならないでしょう。

その際の最大のポイントは「未来に希望が持てる」という点です。
次の世代を担う若者、さらにその先の世代を担う子どもたち、そして次世代を支える技術。
景気回復により企業に余裕ができてきた今だからこそ、こうした未来に向けた投資を怠ってはならないのです。
社会の安全、教育の充実、そして環境と技術の両立などは、企業の将来にとっても大切な問題です。
こうした問題に向けて官民をあげての投資が行なわれるかどうか注目すべきだと思います。

「外交にはストレートよりカーブが有効」
外交とは本来は攻撃よりも守備が重視されてしかるべきだと思います。
有無を言わさず相手を力で屈服させようというのなら別ですが、外交とは相手あってのものである以上、いかに相手を巧みに動かすかが最大の鍵となります。
しかし現在の政府のアジア外交はどうでしょうか?

日中関係も日韓関係も、お互いにストレートを投げては打ち返すことの繰り返し。
しかも、日本国内でも嫌中感情や嫌韓感情が高まっている現状。
お互いの国民世論が総出でこの泥仕合に参加することになれば、これはかなり危険な兆候と言わざるを得ません。
中国経済の成長とともに、東アジアで話し合うべき問題が増えているのは事実です。
ここら辺でお互いにカーブでも投げて争点をそらすことも、外交に必要とされる知恵のひとつなのではないでしょうか?
相互にナショナリズムを高揚させて良い結果が出た試しはないのですから。

以上、大変に短くて恐縮ですが、今年を展望する上で重要と思われるキーワードを3つ並べてみました。
全体を通してみれば、おそらく日本経済はある程度の好調さを維持していくのでしょう。
しかしそれと同時に、我々が日本社会全体の将来像を決める大きな転換点に差し掛かりつつあるのも事実でしょう。
目先の景気や政治・外交の利益だけにとらわれず、我々が生まれ、学び、育ち、働き、また新たに子どもを育てていく、この日本社会のあり方に目を向けて議論をしていくことこそが、いまもっとも必要とされていることなのでしょう。

「高遠の議論あらざれば後進の輩をして高遠の域に至らしむ可き路なし
とは福沢諭吉の『文明論之概略』の一節です。
何が高遠な意見で、何が近浅な意見であるのが、現在の我々には判断が難しいのでしょう。
そうであればこそ、多様な意見をぶつけ合って議論をしていくことにこそ、
いや、議論をしていくことにしか、日本社会を発展させていく道はないのかもしれません。
「必ずしも他人の説を我範囲の内に籠絡して天下の議論を画一ならしめんと欲する勿れ」
もしかしたら、これこそが最大のキーワードなのかもしれませんね。

というわけで、本年も大いに議論の盛り上がるブログにしていきたいと思いますので、
みなさま、どうかよろしくお願い申し上げます。
posted by SNR at 22:18| Comment(9) | TrackBack(4) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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