2005年12月18日

SNRが斬る今年の重大ニュース! JR西日本尼崎脱線事故:消費者の選択とは何か?

「もし、自分が毎日利用している電車があんな事故を起こしたら…」
JR西日本が起こした尼崎脱線事故のニュースを見て、誰もが感じたことでしょう。
これまで他の交通手段よりも、安くて安全だと思われてきた電車です。
毎日の通勤・通学に欠かせない電車で、もっとも損なわれてはいけない部分が損なわれてしまったのです。
そして何よりも困ったことに、損なわれた安全が回復されたのかどうか、我々には確かめる術がほとんどないのです。

今年は色々な意味で企業のあり方が問われた1年でした。
ライブドアによるニッポン放送株取得問題では、「会社は誰のものか?」という言葉が繰り返し叫ばれていました。
もの言う株主、企業価値、敵対的買収防衛策…。
株主に正当な権利が付与されるべきでしょうし、経営者や従業員が安心して企業活動に勤しむことも大事でしょう。
企業に利害関係を持つ人たちをステークホルダーと呼びますが、
いつも後回しにされて忘れられがちなのが、消費者である我々だということがあらためて浮き彫りにされた1年だったとも言えるのではないでしょうか?

よく、「消費者の自己責任による選択」とも言われます。
加工品のトレーサビリティに問題があるものの、米国産牛肉についてはこういう議論も成り立つかもしれません。
しかし、電車という交通手段は一般の人にとって選択の余地のないものなのですよ!
そう簡単に引っ越すわけにはいかないし、在来平行線なんて滅多に存在しないし、ましてや車で通勤なんて誰もができるわけではないのですから…。

「企業の社会的責任」(CSR)という言葉もよく耳にするようになりました。
事故や不祥事が起こるたびに繰り返されたこの言葉ほど、虚しく響いたものはなかったように思います。
環境問題への取り組みや文化活動への貢献などは目に見えやすいですが、
安全と安心を守ることのように、目に見えにくいけど不断の努力を要するものは、損なわれて初めて意識されるものですから…。
企業が社会的責任を果たさなければ売り上げが落ちると言われますが、消費者側にほとんど選択権がないもの、検証手段がないものもたくさんあるのです。
マンション問題も同じことですよ。

こんな時代にいったい誰が消費者の権利を保護してくれるのでしょうか?
自民党の新憲法草案は愛国心を責務として規定しようとしていますが、
消費者を保護する文字はどこにも見えません。

「サイレント・マジョリティ」とよく言われます。
ひとりひとりの消費者の声はとても弱いものですから、
今回の事故報道もちゃんと消費者の立場から検証されるべきではなかったのでしょうか?
どうしたら消費者を守ることができるのかを…。
企業のニュースが多かった裏側には、いつも必ず「もの言えぬ注目されぬ消費者」が存在しているのですから。
たとえ事故などが起きなくても、いつも確かに存在しているのですから…。

当のJR西日本がATSの設置ミスを犯していることが11月に判明しましたが、
マスコミではほとんど取り上げられることがありませんでした。
今日も何事もなかったかのように電車は動いていました。
名前も知らない、ニュースで取り上げられることもない消費者たちをたくさん乗せて…。
posted by SNR at 21:15| Comment(4) | TrackBack(3) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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