2005年11月30日

「見ざる、言わざる、聞かざる」 西村発言が残した課題

民主党の西村真悟衆議院議員が逮捕されました。
弁護士名義貸しの容疑です。
もちろん、あってはならないことです。
法務に携わる弁護士として、法律をつくる立法府の国会議員として、
断じて許されるべき問題ではありません。

それはそれとして、今回はちょっと視点が違います。
西村議員と言えば、防衛政務次官時代に核武装発言で物議を醸した人です。
今回の報道でも各メディアが「タカ派で、問題発言を繰り返していた議員」という形で取り上げています。

でも、それってちょっとどうかなと思ってしまうのです。
確かに西村議員の発言には眉をひそめるような内容が少なくありませんでした。
彼の発言には賛成できないものが多かったのも事実です。

でも、何もかも十把ひとからげにしてしまっていいのでしょうか?
「日本も核武装した方がいいかも」という発言はひとつの典型例です。
ちなみに個人的には日本の核武装に賛成できません。
その政治的信条の是非はともかく、タブーにチャレンジした姿勢は評価されてもいいのではないかと思うのです。

僕自身は核武装しないで済むのであれば、それにこしたことはないと思っています。
しかし、日本がアメリカの核の傘の下にいるのは事実なのです。
そして、「お互いに核武装すれば抑止力が働く」という議論が、世界ではまだまだ通用するものであるのもまた事実なのです。
少なくとも「自衛隊の活動する地域は非戦闘地域」なんていう発言に比べれば、論理的な筋は通ってますよ。

「見ざる、言わざる、聞かざる」
ひとりの政治家の発言よりも、こちらの方が問題にされるべきだと思うのです。

西村発言から6年。
日本の中にあるタブーはどれだけ解消されたのでしょうか?
いやいや、むしろタブーは増えていってしまっているのでしょうか?

タブーとして問題を押し込めてしまっても問題がなくなるわけではありません。
むしろ不健全な空気が高まってしまうことすらあります。
昨日、今日と国会ではマンション問題での参考人質疑が行われています。
まだまだ真相は闇の中ですが、
建設業界内の触れてはならないタブーが出てきそうな予感がぷんぷんしますね。
被害に合われた方々には申し訳ないけど、
今回のことを機会にタブーを取り払って、しっかり膿を出してもらいたいものです。
posted by SNR at 21:06| Comment(0) | TrackBack(2) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月29日

そこには人が生活しているんですよ!!

ほとんどの方が定率減税廃止やむなしで、意見は一致したと思います
期限つきの減税を廃止するということで、通常の増税ではない…


政府税制調査会会長である石弘光氏の発言です。
僕はみなさんに問いたいですよ。
いったい誰が定率減税廃止やむなしなんて言ったんですか!!!
そもそも、いつどのような方法で定率減税廃止について意見を求められたんですか!!!


そもそも最近の専門家の人たちというのは、
問題を単なる数字合わせとしか考えてないような気がしませんか?

定率減税廃止だけじゃないですよ。
来年以降に見送りと言われている消費税率のアップにしてもそうだし、
医療費の自己負担比率のアップもそうですよ。
1割から2割に、あるいは3割に引き上げと簡単に言われても、
そこに生活している人からすれば、2倍・3倍の出費になるわけですよ!
そのことが全然わかっていないとしか思えません。

渦中のマンション偽装問題もそうですよ。
強度が3割のマンションを作っておいて、「地震がきたら、ぺしゃんといくでしょうね」とは何ですか!
住民への補償問題についてのヒューザー社長の発言もそうですよ。
いい加減な数字ばかり並べるだけで、
あれでは、証拠隠滅の時間稼ぎにテレビに出ていると批判されても仕方ないでしょう。

これが法隆寺をつくった国の建築関係者がやることですか!!!
※法隆寺五重塔は現存する世界最古の木造建築です。念のため…^^’)
建築に携わるすべての人は、西岡常一さんの『木のいのち 木のこころ』を読むべきですよ。

話がややそれてしまいました。
とにかく僕が言いたいのは、
「専門家の人たちにはそこに人が生活しているということを自覚して行動してもらいたい」ということなのです。

最後にもうひとつ。
今回のマンション騒動に自民党がどう対応するのか?
選挙のときに主張したように、自民党が本当に新しく生まれ変わったのか?
癒着やしがらみを断ち切った改革政党へと生まれ変わったのか?
自民党のみなさん、その真価が問われているのですよ。
327議席という数字に奢らずに進んでいけるかが…。
posted by SNR at 19:36| Comment(2) | TrackBack(3) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月28日

北方領土は遠きにありて思ふもの?

最近のマンション騒動で取り上げられませんでしたが、
特別国会が終わったこの11月こそが、政治にとってはとても大事な時期だったわけです。
10月の特別国会は、杉村タイゾー議員や小泉シスターズ一色でしたが、
医療制度改革などの社会保障増税や三位一体改革などの財政再建の議論
そして数々の首脳会談外交と、日本にとって重要な問題が目白押しだったのです。

日米首脳会談、靖国問題を抱えるアジア諸国との会談となるAPEC、
ここまではまだテレビでも取り上げられていました。
でも、あのマンションの一件でプーチン大統領の訪日は完全に吹き飛びましたよね。

どうやら良好らしいですけど、日米関係が大事なのはよくわかります。
政治的には全然うまくいっていないけど、日中関係と日韓関係が大事なのもわかりますよ。
それぞれ大事な貿易相手国であり、近隣諸国であり、軍事的考えても重要な国々です。
そんななかで、いつもロシアが忘れられていませんか?
ムネオ騒動でも注目されたのはムネオ氏本人のことばかり。
ロシアとは一体どんな国なんでしょう?
日本はロシアとどんな関係を築こうとしているのでしょう?
東アジアのなかで、日本とロシアの関係をどう位置づけるのでしょう?
何のイメージもなく「北方領土、北方領土」と言ってみても、いまひとつピンときませんよね。

けだし国家独立自衛の道に二途あり
第一に主権線を守禦すること
第二には利益線を保護することである…


第1回帝国議会(1890年)における山県有朋首相の演説です。
利益線とは主権線を守る上で重要な場所であり、当時は朝鮮半島が想定されていました。
この利益線の確保を目指して、後に日清戦争、日露戦争を戦うことになります。
いまの日本の利益線を考えて、政府は外交をしているのでしょうか?

経済のグローバル化は、おそらく「利益線」の存在を曖昧にしているでしょう。
昔のように、どこからどこと明確な線を引くことは困難でしょう。
渡り鳥が運ぶ鳥インフルエンザや地球温暖化などを考えれば、
もう地球全体が利益線のようなものです。
まあ、こういうのを「コモンズ」というわけですが、
少なくとも、外交関係が正常に機能しているとは言いがたい東アジア諸国との関係や
石油をはじめとする天然資源の問題は、日本にとって守るべき利益線の問題ではないのでしょうか?

「経済協力⇒北方領土返還」という比較的単純な図式が崩れたいまだからこそ、
しっかりと外交というものを総合的に長期的な視野から組み立ててもらいたいものです。

およそ国として主権線および利益線を保たぬ国はござりませぬ
方現列国の間に介立して一国の独立を維持するには
ひとり主権線を守禦するのみにては決して十分とは申されませぬ


山県有朋演説の続きの部分です。
主権線をいたずらに主張するだけでなく、複雑に絡み合った「利益線」を解きほぐしながら外交を組み立てていく戦略を練ってもらいたいものです。
北方領土はしばらく「遠きにありて思ふもの」なのかもしれません。
posted by SNR at 21:00| Comment(1) | TrackBack(2) | 外交・国際 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月27日

そろそろ「劇場型」はやめにしませんか?

耐震偽装疑惑の責任追及。
誰が偽装を指示したのか、犯人探しもいいですが、
やっぱり肝心なことが見過ごされていませんか?
と思っていたら、ついに姉歯建築士に下請け依頼した森田設計事務所の代表が自殺です。

渦中のヒューザー社長はテレビ出演しまくり、
マスコミは正義の味方として責任追及しているつもりかもしれませんが、
前にも書きましたが、一番大事なことは被害者救済と信用不安の解消ですから。
そして検証されるべきは、検査システムのあり方とか過当競争に陥ったマンション市場の問題なんですよ!

ヒューザー社長をつるし上げることなんて2の次なんですよ!!!
彼が悪人だろうと善人だろうと、
そんなことは司法の場で判断すれば良いことで、
その前にやるべきことは、山ほどあるんじゃないんですか!

「劇場型」がテレビの特性とはいえ、
9月11日の総選挙の反省がまったくないと言わざるを得ません。
次々と登場する人物たちを、やれ「悪人だ!」「かわいそう!」なんて言っている間に、
どんどんと、増税とか医療制度改革とかが決まっていくわけですよ。

選挙のときのことを、もう一度を思い出してみましょう。
「郵政や刺客騒動よりも大事な問題はある」
テレビのコメンテーターは確かに言っていましたよ。
でもそんな発言とは裏腹に、刺客騒動を延々とテレビは流し続けていました。
自民党の争点隠しにまんまと乗ってしまっていたのです。

いよいよ、隠されていた争点である「行財政改革」や「社会保障制度改革」が進められてきているわけですよ。
それなのに、テレビがやっていることは何ですかっ!!!
本当に嘆かわしい限りですよ。
この間にも、国民の知らないところで、どんどんといろいろなことが決まっていくわけです。
地味な問題かもしれないけど、僕たちの生活に大きな影響を与える大切なことばかりです。
そういう問題をちゃんと伝えること、
それをしないで、IT企業の買収を非難する資格なんてあるのでしょうか?
よくよく考えてもらいたいものです。
posted by SNR at 22:39| Comment(1) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月24日

まさに“倒壊”大地震! 揺らぐ建設業界の信頼

マンションの耐震設計偽造騒動が
というよりも、責任のたらい回しが止まりません。
姉歯建築士、検査機関のイーホームズ、そしていよいよ建築主であるヒューザーの社長が…。

「ホリエモンになぞらえて、私の名前は小嶋ですので、オジャマモンということでスタジオに呼んでください」!!!
???

小嶋進ヒューザー社長の、カメラを向けられてのひと言がこれですよ。。。
怒りを通り越して嘆かわしい。
「瑕疵担保責任」なんていう難しい法律用語以前の問題ですよこれは…。

今回の騒動の登場人物について気になるのは、
自分たちの行動が建設業界全体に対する信頼を揺るがせていることに、
誰も気がついていないのではないかと感じられることです。
法律的な補償問題以前に、業界やマーケット全体の信頼を壊しているんですよ!
国が認定する専門家が安全を提供するという仕組みの信頼が壊れつつあるんですよ!

そういう自覚がまったく感じられないと思いませんか?

ここにきて、国の責任や補償が取りざたされています。
マンションを購入した人たちの「自己責任」などという議論もあるようですが、
この問題は本当に個人・個別の問題なのでしょうか?

もちろん、マンション住民と周辺住民の安全が確保されること、
これは速やかに行われなければなりません。
でも同時に、いま起こっている信頼の崩壊をどうにか食い止めることも、
国として当然の責務じゃないですか!!!


マンション住人が泣き寝入りをするようなことがあって良いわけありません。

別に僕は住民への同情で言っているわけじゃないですよ。
「一般の国民全員が明日にも自分たちが被害者になる可能性があった!」
大事なのはここなんじゃないでしょうか?
これはとても個人レベルの責任で回避できるようなものではないでしょう!!!

もちろん、下手に救済するとモラル・ハザードが起こる危険性もあるでしょう。
でもそれよりも、安心と信頼を取り戻すことの方がはるかに大事なんじゃないでしょうか?
そのためには、純然たる被害者である住民がバカをみるようなことあってはならない。
そうは思いませんか?
みんな明日はわが身だったのですから…。

全国のマンションやホテルの耐震性をチェックし直すことも、もちろん必要でしょう。
徹底した原因究明により、制度の問題点を改善することも必要でしょう。
とにかく性急に政治がやるべきことはいっぱいあるんです。
北側国土交通大臣は政府の責任を口にするようになりました。
国を含め当事者すべてが、信用回復に向けて最善を尽くすこと!
これを徹底して進めてもらいたいものです。
posted by SNR at 18:05| Comment(0) | TrackBack(3) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月20日

プロフェッショナリズムはどこへ消えたのか?

庶民の夢であるマイホームは泡と消えるのでしょうか?

耐震設計強度に関する書類が偽造されていた事件です。
低金利やら、都心の地価下落やら、不動産投資信託やらで、
『日経ビジネス』誌で「マンションバブル」などという特集が組まれる昨今。

投機的な不動産投資はともかくとして、
一般の庶民からすれば、マンションは一生の買い物です。
その大事なマンションが、嘘のデータに基づいて建築されていたなんて…。
「土地神話」というのは知っていたけど、まさか「建物神話」なんてものがあったとは驚きでした。
建物が安全というのも神話だったんですね。

それにしても、本当に発覚した21棟だけのことなのでしょうか?
とてもそうは思えませんよね?
だって、問題が発覚したマンションの強度は、
下手をすると本来の3割だったと言うんですよ!!!

わかりやすい例でいきましょう。
90分の試合で63分何もせずに遊んでいるサッカー選手(笑)
朝9時に会社に来ても11時22分に帰っちゃう会社員Σ( ̄口 ̄)

時間で考えるのに抵抗がある人は、
100軒中30軒しか新聞を配らない配達員(理論上、3〜4日に一度は配達される)

まさかっ!
今年のイチローの打率と一緒だなんて思ってませんよね!!!
( ̄□ ̄;)

そんな重大な手抜きを、
設計者も施行業者も検査機関も気がつかないなんてあり得るんですか!!!
みなさんだって同僚が7割も手を抜いた仕事をしたら気がつくでしょ!
本当に気がつかないとしたらプロ失格ですよ。

それにしても、最近の日本では、
プロフェッショナリズムがどんどんと廃れてしまっているような気がしませんか?
日本人ってもっと「匠の技」みたいなものに対するプライドがあったと思うのですが…。

記憶に新しいところではJR西日本の事故ですよ。
自動車会社のリコールも、医療事故も、教師のハレンチ事件も…。
みんな職業に対するプライドが消えてしまったとしか思えないじゃないですか!

「コスト削減」とか「社会的責任」みたいな言葉、
それ自体は決して悪いことじゃないですよ。

でもですよ!
コストを削っても肝心なところを失ってしまったら本末転倒でしょう!
「責任」を意識しても、それをたらい回しして回避しようとするのでは何の意味もないでしょう!


「信頼」と「誇り」
経済や社会がどんなに進化しても必要なもの。
こういった価値観をもう一度見直してほしいものです。
posted by SNR at 11:41| Comment(1) | TrackBack(4) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月16日

東と西で 「二都物語」?

最近、めっきり寒くなってきました。
寒くなってくると、こころ温まる話題でね。
こんな気分にも自然となってきますよ。

そうです、紀宮さまのご結婚です。
以前、ロールモデルについて書きましたが、
ありえないくらいに、しっかりとロールモデルですよ。
ドロシー・ローノルトさんの『子どもが育つ魔法の言葉』を
皇太子さまが紹介したときから、そんな気がしてましたけど。

皇族って、単に日本の伝統芸能を守っているだけじゃないんですね。
人間にとって、社会にとって大事なことも、しっかりと守っていたんですね。
あれで皇室の方々がもうちょっとイケてると…
というのは冗談ですが、
ボンボニエールはなかなかお洒落で素敵だったし…。
以上は、風雅でこころ温まる東の都でのお話。

その頃、西の都、京都では…。
颯爽とヘリで京都御所に乗りつけてしまいましたね。
彼の国の大統領ですよ。
侘び寂びも、へったくれもありませんね。
「京都議定書」を蹴り飛ばしておいて、京都に入るな!
なんて言いたい気もしますが、
まあ、そこは百歩譲って置いておきましょう。

それにしても彼はいったい何をしに日本へやってきたんですか?
まさか、日本人も滅多に入れない京都御所に泊り込んで、
金閣寺を見て「ワンダフル!」なんて言いに来たわけではないですよね?

「なんてったって、日米関係がいちばん大事!」
どうやら、これが唯一のテーマだったらしいですよ。( ̄□ ̄;)

あのですねぇ。
日米関係が大事なことくらい、あんたに言われなくたって、
みんなわかってますよー!
イラクにへらへらついていっているのを見れば、国際社会だってとうの昔に承知ですよ。

肝心なのは、
その大事な日米関係をどうやって日米両国民に役立てていくのかじゃないんですか!!!
少なくとも日本国民はこれっぽっちも喜んでませんよ。
沖縄の基地負担は減らず、
安全性が定かでない牛肉を押し売りされ、
挙句の果てには、イラク派遣延長まで約束させられて…。

というわけで、結局また怒ってしまいました…。
本当はこころ温まる話で終わろうと思ったのになあ。
西の都で唯一の救いは、紅葉がとてもきれいだったことでしょうか。
posted by SNR at 00:39| Comment(0) | TrackBack(1) | 外交・国際 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月14日

若きウェルテルはいなくなったのか?

ちょうどウェルテルと同じように
胸の悶えを持つやさしい心の人がおられるならば、
ウェルテルの悩みを顧みて自らを慰め、
そうしてこの小さな書物を心の友とされるがよい…。


ゲーテの巻頭の辞を真に受けたわけではないけれど、
「こういう小説を読んでいるのを同級生に見つかるとちょっと恥ずかしいかな」
とか考えながらも、
わりと純粋で素直な気持ちになって、こういう小説を読みませんでしたか?

『若きウェルテルの悩み』じゃないなら、
バルザックの『谷間のゆり』でも、
アンドレ・ジイドの『狭き門』でも、
外国人作家がお好みじゃないなら、谷崎潤一郎の『春琴抄』でもいいですよ。
個別作品に好き嫌いはあるかもしれないけど、
とにかく、報われぬ愛にもがき苦しむ話ですよ。

なんでこんな話をするかと言うと、
例の町田市で起こった女子高校生殺害事件ですよ。
もちろん、事件の真相はまだまだ明らかになっていないのかもしれません。
でも、僕はニュースを聞いてびっくらたまげましたよ(表現が古い…)。

なんで好意を抱いている人を殺すんですか!
そういうのって、火サスとか大人の世界の話だけだったんじゃないんですか?
財産とか嫉妬とか、やたらとどろどろしたドラマですよ。

それにしてもね。
そもそも純愛ブームじゃありませんでしたっけ?
と思って聞いてみたら、
最近の純愛モノは主人公が苦しんで死んでしまったりしないのだそうです。
えーっっっっっ!
僕は耳を疑いましたよ。
「無償の愛」、「報われぬ想い」、「悲恋」…。
すべて死語になってしまったのでしょうか?

確かに失恋するたびに自殺していたら、
それはそれで困った社会ですよ。
それに主人公に愛される女性たちの態度などに、いかがなものかと首をひねることもありますよ。
それでも主人公が思うままにならぬ状況に苦しみ、自分を責めて責め抜いて、
最後は自分自身の存在を罰するという行為、ここにこそ心を打たれるんじゃないですか。

文学的にはもっと高尚な読み方があるかもしれないけど、
こういう読書をしていれば、ちょっとうまくいかないからって、
安易に人を殺したり、自殺をしたりするようなことは減っていくのではないでしょうか?

どんなに古臭いといわれても、
やっぱり「若きウェルテル」を読んで涙するような社会が続くことを願うのであります。
posted by SNR at 11:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月02日

あなたのお手本は誰ですか?

毒薬「タリウム」!

母親に少しずつこの薬を飲ませていた少女が、
殺人未遂の容疑で逮捕されたニュースが世間を騒がせています。

事件の異様さが世間の耳目を集めていることは言うまでもないでしょう。
毒殺という手段だけでなく、徐々に衰弱していく様子を観察するという残酷な手法。
その観察を毎日ブログで公表していくという異様な行動。
しかし、この問題を異常な人間が引き起こした異常な事件として片づけてしまって良いのでしょうか?

もちろん、各マスコミも少女が犯行に至った過程を明らかにしようとしています。
この事件の真相が解明されることは、とても重要なことです。
でも、それだけで本当に十分なのでしょうか?
事件を事件として遠巻きに眺めているのでは、やっぱり自分たちの問題として考えられていないのではないでしょうか?

少女が尊敬する人物として、イギリスの毒殺魔グレアム・ヤングの名前を挙げていたことが報道されています。
そしてヤングと同じ毒薬を使い、同じように観察して、同じように日記をつけていたわけです。
これはいわゆる「ロール・モデル」というものです。
「ロール・モデル」とは、信頼を寄せ、あの人のようになりたいと思う、
目標となる対象のことを指します。
成長期の子どもにとって、きわめて大事な存在なのです。

もちろん、ここで大切なことは、少女が毒殺魔をお手本にしていたという事実ではありません。
そのことに非難めいた追及をしても、社会の改善にはつながりません。
今の日本社会にロール・モデルとなり得るような大人がどれほどいるのか?
こちらの方が、よっぽど問題にされなければならないことではないでしょうか?

世の中に完璧な人間など存在しないことは言うまでもありませんが、
多少の欠点を大きく暴きたてる息苦しい社会になってしまったとは言えないでしょうか?
ときには名誉毀損としか思えないような誹謗中傷の応酬になることもしばしばです。
こんな世の中で、果たしてお手本となるような人が生まれるのでしょうか?
生まれるのはせいぜい一時の偶像、
使い捨ての偶像に過ぎないのではないでしょうか?
偶像は巨大なマスコミの力で一瞬にしてつくりあげられ、
やがて人々の忘却の彼方へと追いやられるか、
偶像を生み出したマスコミ自身の手によって貶められていくのです。

ロール・モデルというのは、自然と出来上がってくるイメージの産物であるべきだ!
僕はそんなふうに思います。
そんな自然な関係性がつくられる社会を取り戻すこと。
これこそが、この事件が僕たちに突きつけている課題なのではないでしょうか。
posted by SNR at 02:07| Comment(1) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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